カーリースとカーシェアの違いは?それぞれのメリットやデメリットを比較
近年、マイカーを持っていない人でもクルマを利用できるサービスが普及しています。この記事では、カーリースとカーシェアのどちらを選べばよいか迷っている方に向けて、それぞれのメリットとデメリットを比較し、どちらがより適しているかを解説します。
カーリース・カーシェアとは?
カーリースとは、毎月定額料金を支払うことで、一定期間クルマを利用できるサービスです。契約期間中は、カーリース会社がクルマの所有者に、利用者がクルマの借主になります。
カーシェアとは、カーシェアリングサービスに登録された会員間でクルマを共有し、必要な時間だけ利用するサービスです。利用後は自分でステーションにクルマを返却します。

カーリースとカーシェアの違いを比較
カーリースとカーシェアの最も異なる点は利用時間ですが、その他にも費用項目やナンバープレートなどがあります。カーリースとカーシェアの違いについて、以下の表で簡潔にまとめました。どちらがご自身に適しているかお悩みの方は、ぜひ参考にしてください。
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比較項目 |
カーリース |
カーシェア |
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利用時間 |
最短1年~3年、最長7年~9年 |
最短30分、以降10分単位 |
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利用料金 |
月額定額払い |
月額基本料金+利用料金(利用時間+走行距離) |
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使い方 |
契約期間中はいつでも利用可能 |
事前予約が必須 |
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利用できる車種 |
契約時に決めたクルマ |
予約時に決めたクルマ |
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燃料費 |
別途必要 |
利用料金に含まれる |
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駐車場 |
必要 |
不要 |
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ナンバープレート |
通常のナンバー |
「わ」もしくは「れ」 |
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車検・メンテナンス |
契約内容により変わる |
カーシェアリング会社が行う |
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法定費用(税金・自賠責保険) |
月額料金に含まれる |
利用料金に含まれる |
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任意保険 |
別途の加入・支払いが必要(任意保険料込みのサービスもある) |
利用料金に含まれる |
それぞれの比較項目について、詳しく見ていきましょう。
利用時間による比較
カーリースは、最短1年~3年、最長7年~9年のような複数年にわたる長期契約が主流です。一方、カーシェアは10分程度の短時間から利用可能で、1回の利用は数時間程度になるのが一般的です。三井のカーシェアーズでは最短30分から、それ以降は10分単位で利用できます。
利用料金による比較
カーリースは、契約時に設定した金額を毎月支払います。利用料金は、車種やグレード、カーリース会社、契約期間によって異なります。カーシェアでは、月額基本料金に利用料金(利用時間+走行距離)を足した金額の支払いが必要です。なお、予約・利用の時間によっては走行距離による利用料金が発生しないこともあります。
使い方による比較
カーリースの場合、マイカーを持っている状態と同様に、利用したいタイミングで自由に使えます。クルマは自宅の駐車場に停められるほか、私物もクルマの中に保管できます。
一方、カーシェアはステーションにあるクルマを、他の利用者と共有するサービスです。そのため、マイカーのような自由な使い方はできません。利用の際は事前予約が必要で、利用後は車内をきれいにしてから、ステーションに返却しなければなりません。
利用できる車種による比較
カーリースでは、カーリース会社が取り扱っている車種から自分が好きなクルマを契約時に決めます。カーリース会社によって取り扱うクルマが異なるので、利用したい車種がある場合は事前に確認しましょう。
カーシェアでは、カーシェアリング会社が取り扱っているクルマの中から、予約時に利用する車種を選べます。ただし、設置されているクルマはステーションによって異なるため、近くのステーションに希望の車種があるとは限らないことに注意しましょう。
燃料費による比較
基本的にカーリースの月額料金に燃料費は含まれていないため、マイカーと同様に契約者が負担しなければなりません。逆に、カーシェアでは利用料金に燃料費が含まれているため、利用者の自己負担はなく、代わりに車内に設置されている給油・洗車カードで支払えます。
駐車場による比較
カーリースは、契約者が常時クルマを利用・管理するため、駐車場の用意と車庫証明が必要です。反対に、カーシェアでは利用が終わったら指定のステーションにクルマを返却するため、利用者の車庫証明は不要です。
ナンバープレートによる比較
カーリースの場合は、通常のナンバーのクルマを利用でき、カーリース会社によっては希望のナンバープレートが取得できる可能性もあります。一方、カーシェアで利用できるクルマは「わ」や「れ」のナンバーとなっています。
車検・メンテナンスによる比較
カーリースの場合、車検やメンテナンスの対象は契約プランによって異なります。主な契約プランは、メンテナンスリースとファイナンスリースの2種類です。
メンテナンスリースとは、車検やメンテナンスにかかる費用をカーリース会社が代わりに支払う契約のことで、車検・メンテナンス費用は月額料金に含まれています。一方、ファイナンスリースは、メンテナンス費用が含まれない契約のことであり、クルマの修理や車検にかかる費用は自己負担です。
カーシェアの場合は、カーシェアリング会社がクルマの契約者となるため、車検やメンテナンスもカーシェアリング会社が行います。そのため、利用者には車検やメンテナンス費用の負担がありません。

法定費用(税金・自賠責保険)による比較
カーリースとカーシェアはともに、自動車税(種別割)または軽自動車税(種別割)、自動車重量税および自賠責保険料といった法定費用が月額料金に含まれています。
任意保険による比較
任意保険とは、ドライバーが任意に加入する保険です。カーリースの月額料金は任意保険料を含んでいないことが一般的です。一方、カーシェアは任意保険料が利用料金に含まれており、利用者が別途加入する必要はありません。
>>>カーシェアとマイカー、カーリースの費用差についてはこちら!
カーリースのメリット・デメリット
カーリースにはメリットやデメリットがあります。分かりやすく表でまとめたので、ぜひ参考にしてください。
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カーリースのメリット |
カーリースのデメリット |
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それぞれの内容について、詳しく見ていきます。
メリット
カーリースのメリットとして以下の3つが挙げられます。
- 自分で所有しているように利用できる
- 利用前の予約なしで利用できる
- マイカー同様のナンバーで利用できる
カーリースは自分で所有するマイカーのようにクルマを自由に利用できます。利用するたびに予約を入れたり、利用時間を気にしたりする必要がありません。また、カーシェアやレンタカーとは違って「わ」や「れ」などのナンバーではなく、マイカー同様のナンバーで利用できます。そのため、クルマを借りていると周りに知られにくいこともメリットの1つです。
デメリット
カーリースのデメリットとして主に以下の3つが挙げられます。
- 走行距離やカスタマイズに制限がある
- 原状回復費用が発生する可能性がある
- 中途解約できない
カーリースは契約時に走行距離の制限が設定されます。制限を超えると、超過した距離に応じて、契約終了時に追加料金が請求されることもあるため注意が必要です。加えて、クルマのメンテナンスにも制限があり、カスタマイズが認められない場合も多いです。
また、契約終了後クルマを返却する際に、カーリース会社が認める範囲を超えた傷がある場合は、原状回復費用を求められる可能性があります。「オープンエンド方式」の場合は、クルマの返却時に査定をされますが、実際の査定額が契約時の予想査定額を下回ると差額を求められることもあります。さらに、カーリースは、原則として中途解約ができません。万が一解約をする際は、違約金を請求される可能性があるため注意しましょう。

カーシェアのメリット・デメリット
カーシェアにもメリットやデメリットが存在します。以下の表でまとめたので、参考にしてください。
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カーシェアのメリット |
カーシェアのデメリット |
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それぞれの内容について、詳しく見ていきましょう。
メリット
カーシェアのメリットとして、主に以下の4つが挙げられます。
- ガソリン代や保険料がかからない
- 24時間いつでも、短時間でも予約できる
- 気分に合わせて車種を変えられる
- 車検やメンテナンスの手間がかからない
カーシェアの利用料金には、ガソリン代や任意保険料が含まれているため、利用者の支払いはありません。さらに、会員登録さえ行えば、24時間いつでもスマートフォンやPCでかんたんに予約でき、その日の気分に合わせて乗りたい車種を選ぶことも可能です。また、車検やメンテナンスはカーシェアリング会社が行い、その費用についても利用料金に含まれているため、利用者の負担にならないこともメリットといえるでしょう。
デメリット
カーシェアのデメリットとして、主に以下の3つが挙げられます。
- 返却時間を設定する必要がある
- 予約が埋まっていると利用できない
- ステーションが近くにないと不便
カーシェアでは、次に利用する人との時間調整のために返却時間を事前に設定して、時間内に返却する必要があります。また、最寄りのステーションに設置されたクルマの予約が埋まっていたり、ステーションが近くになくて気軽に利用できなかったりすることにも気を付けましょう。

カーリースがおすすめの人
カーリースがおすすめの人の特徴として、主に以下の3つが挙げられます。
- 自分のクルマのように自由に利用したい人
- 新車に乗りたい人
- 「わ」「れ」ナンバーが気になる人
カーリースの場合、特にマイカーのようにクルマを自由に利用したい人にはおすすめです。また、カーリースでは新車も多いため、初期費用を抑えて新車に乗りたい方にも向いています。さらに、カーシェアと違って「わ」や「れ」のナンバーではないため、クルマを借りていると気付かれたくない人にも適しています。
カーシェアがおすすめの人
カーシェアがおすすめの人の特徴として、主に以下の3つが挙げられます。
- クルマの利用頻度が少ない人
- クルマの維持に手間をかけたくない人
- 気になる車種で試し乗りをしてみたい人
クルマを利用する機会が少ない人はカーシェアがおすすめです。たまに遠方にお出かけする人ならば、お出かけ先にステーションがあり、必要なタイミングだけ利用できるカーシェアのほうがおトクだといえます。さらに、カーシェアでは手軽にさまざまなクルマに乗れるため、マイカーを購入する前に、気になる車種を試し乗りしたい人にもおすすめです。

よくある質問
ここからは、カーリースとカーシェアに関するよくある質問について回答していきます。主な質問は以下の3つが挙げられます。
- カーシェアとレンタカーの違いは?
- カーシェアとマイカー購入、どちらがよい?
- カーリースはデメリットだらけ?
カーシェアとレンタカーの違いは?
カーシェアとレンタカーは「クルマを借りて利用する」点で共通していますが、料金や予約方法などで違いがあります。以下の表で2つの違いについて、かんたんにまとめたので参考にしてください。
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比較項目 |
カーシェア |
レンタカー |
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初期費用 |
なし |
なし |
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会員登録 |
必要 |
不要(手続き上の個人情報入力は必要) |
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店頭での手続き |
不要 |
必要 |
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料金体系 |
分単位 |
時間単位、1日単位 |
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給油 |
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カーシェアとマイカー購入、どちらがよい?
カーシェアとマイカーの購入のどちらがよいとは一概にはいえません。カーシェアは、初期費用なしで24時間いつでも短時間から利用でき、燃料費がかからないというメリットがあります。(※1)しかし、返却時間の設定や予約が埋まっていると利用できないといった使い勝手のデメリットもあります。
マイカーは好きなタイミングで乗れて、私物もクルマの中に保管できる一方で、初期費用がかかり、各種税金や燃料費も自分で払わないといけません。両者のメリットとデメリットを把握した上で、ご自身に最も適したものを選びましょう。
カーリースはデメリットだらけ?
上記の通り、カーリースには多くのメリットがあります。特に、初期費用を気にせずにクルマを自由に利用できるのはカーリースの大きな魅力の1つです。ただし、契約者が原状回復費用を負担するリスクがある点や、原則として中途解約ができない点はデメリットといえます。メリットとデメリットを確認した上で、ご自身のライフスタイルに合う方法を選択しましょう。
カーシェアリングは三井のカーシェアーズ
ここまで、カーリースとカーシェアの特徴からメリットやデメリットを比較してきました。それぞれのメリットやデメリットを押さえた上で、クルマを使う頻度や自分のライフスタイルを考慮し、最も自分に合った選択肢を選びましょう。
三井のカーシェアーズでは、日常使いに便利なコンパクトカーから大人数が快適に移動できる高級ミニバン、運転そのものを楽しめるスポーツカーまで、幅広い車種と豊富な料金帯から選べます。三井のカーシェアーズでは「月額費無料プラン」もあり、クルマが必要になる状況に合わせて、ピッタリな車種をご用意していますので、ぜひ入会をご検討ください。
※1:ステーションによっては、異なる場合もございます。
監修者:西川 昇吾(にしかわ しょうご)
1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタートさせる。現在は新車情報のほか、自動車に関するアイテムや文化、新技術や新サービス、カスタマイズやアフターパーツの取材記事など幅広い分野で執筆している。それぞれのユーザー、購入検討者目線を意識した記事執筆を行っている。
















