人気のミドルクラスミニバン「ヴォクシー」「ステップワゴンAIR」「セレナ」の使い方を比較

家族のためのクルマといえば、3列シート+スライドドアの「ミニバン」が定番です。なかでもミドルクラスのミニバンは、国産各社から魅力あふれる個性的なモデルが揃います。

そこで今回は、三井のカーシェアーズで借りることができるミドルクラスミニバンの代表格、トヨタ「ヴォクシー」、ホンダ「ステップワゴンAIR」、日産「セレナ」をチェック。それぞれの特徴や運転のしやすさ、室内の広さや使い勝手などを比べてみましょう。

トヨタ「ヴォクシー」

特徴: 兄弟車は「ノア」! 2列目シートの使い勝手や広さはNO.1

200111月に兄弟車「ノア」とともにデビューしたヴォクシーは、20221月登場の現行型で4代目。最新のプラットフォーム(車台)をはじめ先進運転支援機能などを搭載し、ロングドライブでも安心して快適な走りを楽しむことができます。

ノアとの違いは、主に外観デザイン。堂々とした面構えで王道のミニバンらしさを追求したノアに対し、ヴォクシーは上部を薄く下部にダークな大型グリル部を2段に配した独特なフロント周りの造形や、ボディを全周するエアロパーツなどで強い個性を主張しています。

運転のしやすさ

内外装の質感の高さもヴォクシーの特徴

ボディサイズは全長4,695mm×全幅1,730mm×1,895mmFFモデル)。車幅が拡大した関係で3ナンバー車ですが、多くの駐車場でも問題なく停めることができるサイズ感といえます。

インストルメントパネル(ダッシュボード)を低くレイアウトし、フロントピラー(ガラスを支える柱)を細くする工夫などを施しているため、運転席からの視界も良好。また各部の質感の高さも魅力です。

パワーユニットは新開発されたパワフルな2リッターガソリンエンジンと、同じく新世代となった燃費良好な1.8リッターハイブリッドの2タイプを設定。三井のカーシェアーズではそれぞれ用意されています。

室内空間の特徴は?

写真は8人乗り仕様。2列目席は6:4分割式で、座面はそれぞれ跳ね上げでき、前方までスライドすることで荷室を最大まで拡大できる

4代目でプラットフォームを刷新した際に空間設計も見直され、より四角く効率的な室内となりました。2列目席が左右独立したキャプテンシートの7人乗り仕様と、2列席を3人掛けとした8人乗り仕様があります。

3列目シートは左右に跳ね上げるタイプですが、壁面へすっきりとコンパクトに収まるよう考慮されています。柱位置の工夫とも相まって、2列目シートを後方へ大きくスライドする時も影響を与えません。

荷室の使い勝手は?

大きく四角い開口部で荷物の積み下ろしもラクラク。3列目席を左右に跳ね上げても荷室幅にはほとんど影響を与えない

定員乗車時でも床下収納などで十分な広さを持つヴォクシーの荷室。さらに左右跳ね上げ式の3列目シートがコンパクトに収納できるので、より大きな荷物を積む際にも便利です。

>>>「新型ヴォクシー」のサイズは?広さも走りもレベルアップした人気のミニバンを解説

ホンダ「ステップワゴンAIR」

特徴: オシャレな内外装が魅力の老舗ブランド! 荷室の使い勝手もダントツ!

他社に先駆け、1996年に初代が誕生したステップワゴン。FFレイアウトをベースにスクエアなボディを組み合わせ乗用車感覚で乗れるという、現在では当たり前になったミニバンのスタイルを国内で真っ先に普及させたのはこのクルマでした。

2022年に登場した現行の6代目では、そうした初代で支持されたクリーンでシンプルなデザインに回帰。室内空間も拡大されました。

3モデル中で唯一3列目シートを床下収納式とし、荷室の広さはダントツです。プレーンなテイストの「ステップワゴン AIR(エアー)」と、さりげない上質感を与えた「ステップワゴン SPADA(スパーダ)」の2タイプを設定。現在三井のカーシェアーズではAIRを取り扱っています。

運転のしやすさ

水平基調ですっきりした印象のインストルメントパネル。メーターはシンプルな液晶表示で見やすい

ボディサイズは、全長4,800mm×全幅1,750mm×全高1,840mm(ステップワゴンAIRFF)。こちらも3ナンバーサイズですが、四角いボディの見切りの良さと相まって、街乗りでも苦労せず取り回しできます。

パワーユニットは、1.5リッターガソリンVTECターボエンジンと、2リッターハイブリッド「eHEV」の2タイプ。特にターボエンジンは他2モデルにはないもので、活発な走行性能を特徴とします。

また6代目では長距離運転もサポートしてくれる運転支援機能も充実しており、安全性にも優れています。

室内空間の特徴は?

写真は8人乗り仕様。オシャレなシート素材で明るい雰囲気のインテリアが魅力的だ

キャプテンシートの7人乗り車に加え、ステップワゴンAIRのみ2列目席が3人掛けの8人乗り仕様が設定されます。

室内の窓のラインやインストルメントパネルなどを水平基調のレイアウトに統一し、3列全席の乗員の視野に配慮がなされているのが大きな特徴です。ホンダでは、乗員の乗り物酔いも起こしにくい効果があるといいます。

また三井のカーシェアーズで主に配置されるステップワゴン AIRは、オシャレなシート素材などで工夫を施し、リビングを思わせる居心地の良さも魅力です。

荷室の使い勝手は?

他の2モデルにはない床下収納の3列目席のおかげで非常にすっきりした空間が広がるステップワゴンの荷室

前述の通り、3列目シートが床下収納できるのは3モデルのなかでステップワゴンだけ。操作も容易です。収納しないときには低い床面が広がるので、ゴルフバッグのような背の高い荷物を縦に積むことができます。

>>>「ステップワゴンAIR」運転しやすさへのこだわりが詰まったオシャレなミニバン

日産「セレナ」

特徴: 先進運転支援機能が充実! ライバル2モデルにはない「超・便利機能」にも注目!

セレナの名称は、後輪駆動のセミキャブオーバーワゴン「バネットセレナ」(1991年登場)が1994年にマイナーチェンジした時に登場。その後19996月、ステップワゴンに対抗するFFレイアウトのミニバンとして生まれ変わりました。

現行型は202211月に発表された6代目。初代から一貫して「家族のためのミニバン」というキャラクターを前面に押し出し、広く利便性の高い空間設計を最大の特徴としています。先進運転支援機能の採用も拡大され、6代目では高速道路の車間距離や車線中央キープをサポートする「プロパイロット」を全車に標準装備します。

また近年の日産車に共通する近未来的な雰囲気のクールな内外装デザインも見どころです。この他、荷室のドアを2重構造とした独自の「デュアルバックドア」も、ライバルにはないセレナだけの美点といえるでしょう。

運転のしやすさ

「プロパイロット」はステアリングの右側にある青いボタンを押すだけで簡単に起動できる

ボディサイズは、全長4,690mm×全幅1,695mm×全高1,870mmXXVグレード/FF)で、今回の3モデルの中で唯一の5ナンバー車です。ただし販売の主力であるエアロモデル「ハイウェイスターV」は車幅が1,715mmとなり、3ナンバー車となります。

ミドルクラスミニバンは各社ともに運転しやすさを追求していますが、ことドライバーからの視界の良さではセレナがNo.1といえるかもしれません。特に運転席・助手席ドアの窓下部が低く左右方向の見晴らしも良好で、狭い道のすれ違いなどで効果を発揮します。

パワーユニットは、2リッターガソリンエンジンと、1.4リッターエンジンを発電専用に使う独自のハイブリッド「e-POWER」の2タイプ。後者はモーター駆動で走るので、まるで電気自動車のような滑らかな加速感覚が味わえます。

全車標準装備のプロパイロットは、ステアリングスイッチのカンタンな操作だけでできるのもうれしいところ。ちなみに最上位グレードでは手放し運転も可能な進化版「プロパイロット2.0」の搭載もありますが、通常のプロパイロットでも十分に快適なドライブ支援機能として役立ちます。

室内空間の特徴は?

写真は8人乗り仕様。中央部は独立して大きくスライドできるほかアームレストのように前に倒して使うことも可能

インテリアは、大型液晶のメーターパネルや、レバーを廃止してスイッチ操作にしたATのシフトボタンなど、近未来的なレイアウトが目をひきます。

シートにも他の2モデルにはない特徴があります。主力となる8人乗り仕様の場合、2列目席の中央が前後に大きくスライドできるのです。左右独立式のキャプテンシートのようにしたり、片側に寄せて3列目席の乗降性を高めたりと、独自のシートアレンジもできます。

なお3列目シートは左右跳ね上げ式。ダンパーも備わっているので軽い操作で動かすことができます。しかも低い位置に収納されるので3列目の窓も浸食されず、斜め後の視界が確保される利点も。半面、同じ跳ね上げ式のヴォクシーに比べると収納時のシートのせり出し幅が大きいです。

荷室の使い勝手は?

ヴォクシーに比べ低い位置に跳ね上げられるセレナの3列目席。一方で荷室へ侵食する幅は大きめ

ミドルクラスミニバンのバックドアは大きくストレートな形状で、開閉するには後方に大きなスペースを必要とします。その点セレナのデュアルバックドアなら、後部の窓まわりだけがコンパクトに開閉できる独自の構造を持つので、狭い駐車場でもさっと荷物の出し入れができます。

いっぽう3列目シート収納時、荷室の左右幅はヴォクシーに比べ狭いので、家具などの大きな荷物を積みたいときには注意が必要です。なお床下にも深いボックス状の収納があります。

>>>新型「セレナ」便利な機能満載のファミリーに優しいミニバン

こんなときにはこのクルマ!

リアコンビランプなどリア周りの細かな意匠も兄弟車「ノア」との違いだ

ヴォクシーの迫力がありすぎる顔はやや好みが分かれるかもしれませんが、それ以外はとにかく全方位に万能な1台。またハイブリッド車の実用燃費は3モデル中で最も優れています。

タテ型のリアコンビランプは初代ステップワゴンのデザインをオマージュした形状に

アウトドアレジャーで荷物を多く積み込むような使い方なら、ステップワゴンが最適! ターボエンジンの元気な走りも、高速道路などを多用する長距離運転に向いています。

窓周りの黒い部分だけ独立して開閉可能なデュアルバックドア。操作は丸い「NISSAN」マークのなかにあるボタンで行う

アウトレットモールでのお買い物ドライブが大好きなあなたにセレナはおすすめ! 混み合った駐車場でデュアルバックドアの利便性に助けられることも多く、これを知ってしまうともう他モデルには移れなくなるかもしれません。使いやすいプロパイロットも、渋滞が多い週末の疲労軽減に大いに役立ちそうです。

なお、ゴルフバッグの積載性は、「ヴォクシー」「ステップワゴンAIR」「セレナ」ともほぼ同等です。3列目のシートを前にスライドさせてスペースを作れば、立てたまま載せることもできます。

ゴルフバッグを立てたまま載せられるのは背の高いミニバンの強み
3列目を格納すれば人数分のゴルフバッグを積むこともできる

>>>「ゴルフバック」どうやって載せる? 車種別おすすめの積み方/上手な積み方

三井のカーシェアーズでミニバンを活用しよう!

シーンに応じて使い分けることができるだけでなく、購入検討時の比較試乗にもお役立ていただけます。ぜひ三井のカーシェアーズで気になるミニバンをお試しください!

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