カーリースのデメリット7つ!やめとけといわれる理由と向いている人をご紹介

カーリースが「デメリットが多い」「やめとけ」といわれる背景には、走行距離やカスタマイズに制限があることや、場合によっては総支払額が割高になることなどが挙げられます。この記事では、カーリースのデメリットや利用上の注意点について詳しく解説します。

カーリースのデメリット7

カーリースは、頭金なしで新車に乗れて月々の支払いも一定であるなど、手軽で魅力的なクルマの利用方法として人気を集めています。しかし、契約してから後悔するケースも少なくありません。カーリースには、契約前にしっかりと理解しておくべきデメリットが存在するためです。具体的なデメリットについては、以下のとおりです。

  • 総支払額が購入より高くなる可能性がある
  • 中途解約が原則不可、高額な違約金がかかる場合がある
  • 走行距離制限がある
  • カスタマイズが自由にできない
  • 契約満了時に残価精算・原状回復費用がかかる
  • 事故・全損時の自己負担が大きい
  • クルマが自分の所有物にならない

この記事では、カーリースで後悔しないために、知っておくべきデメリットをご紹介します。

カーリースに支払う料金

総支払額が購入より高くなる可能性がある

総支払額が購入より高くなる可能性がある点は、デメリットとして挙げられます。カーリースは「月々 から」といった手頃な月額料金が魅力な一方で、契約期間全体で支払う総額を見ると、同じクルマを現金一括やローンで購入するよりも高くなるケースがあるためです。

その主な理由は、カーリースの月額料金の仕組みにあります。月額料金には、車両本体価格から将来の予想下取り価格である残価を差し引いた金額だけでなく、契約期間中の自動車税・自賠責保険料・各種手数料や、リース会社の利益(金利に相当する手数料ほか)などが含まれているためです。

中途解約が原則不可、高額な違約金がかかる場合がある

ご自身で購入されたクルマであれば、不要になった際にいつでも売却できますが、リースの場合は中途解約や自由な売却が原則としてできない点がデメリットの1つです。これは、リース会社が契約期間全体で収益を見込んで料金設定をしているため、中途解約が生じると計画していた収入を得られず、損失を被る可能性があるからです。

事故によるクルマの全損や、契約者の死亡・長期入院・海外転勤といったやむを得ない事情で中途解約が認められた場合でも、通常は高額な違約金が発生します。

この違約金は、残りのリース期間分のリース料総額に、未経過分の諸費用や事務手数料などを加えた金額から、その時点でのクルマの査定額を差し引いて算出されるのが一般的です。そのため、契約期間が残っているほど違約金の負担も大きくなる傾向がある点も、カーリースを利用するうえでの注意点といえるでしょう。

走行距離制限がある

多くのカーリース契約では、契約期間に応じた走行距離の制限があり、利用時に気にしなければならない点がデメリットです。

走行距離が長くなるほどクルマの将来的な価値(いわゆる残価)が下落します。そのため、リース会社は契約時に設定した残価の維持を目的に、月あたり1,000km2,000km程度の走行距離制限を設定していることが一般的です。

もし契約満了時に、事前に定められた総走行距離の上限を超過していた場合は、追加の料金を支払う必要が生じます。

走行距離制限

カスタマイズが自由にできない

カーリースでは、基本的にクルマのカスタマイズや改造が自由に行えない点もデメリットとして挙げられます。その主な理由は、契約満了時に借りたときの状態に戻して返す(原状回復)義務があるからです。

具体的には、ボディーに穴を開けるパーツの取り付け・車高の変更・エンジンチューニングといった性能にかかわる改造はもちろんのこと、塗装なども原則として禁止されています。

もし原状回復が困難なカスタマイズを施してしまった場合には、契約満了時に元の状態に戻すための費用や、クルマの価値が下がったと判断された分の費用を請求される可能性があります。

契約満了時に残価精算・原状回復費用がかかる

カーリース契約が無事に満了したとしても、最後に「残価精算」や「原状回復費用」といった予期せぬ支払いが発生するかもしれない点はデメリットといえるでしょう。

例えば「オープンエンド契約」という契約方式の場合、契約満了時の査定額が、契約時に設定されていた残価(将来の予想下取り価格)を下回ってしまうと、利用者はその差額を支払う「残価精算」が必要です。これにより、中古車市場の相場変動やクルマの使用状況によっては、数十万円単位で想定外の出費が発生することもあります。

また「原状回復費用」とは、契約満了時にクルマを返却する際、通常の使用範囲を超える傷・へこみ・汚れ・破損などが認められた場合の修理費用として請求されるものです。この費用も、契約終了時に思わぬ出費となる可能性があるため注意しましょう。

契約満了時にかかる費用

事故・全損時の自己負担が大きい

任意保険がプランに含まれていないリース車両で「全損」と判断されるような大きな事故を起こしてしまうと、多額の金銭的負担が発生するというデメリットがあります。この場合、カーリース契約は強制的に解約され、先に述べたような高額な違約金を支払う必要が生じます。

また、事故の規模にかかわらず、クルマの修理費用は基本的に利用者の負担です。任意保険に加入していれば保険金で修理費用をカバーできますが、それでも免責金額(自己負担額)の支払いや、翌年度以降の保険等級ダウンによる保険料の増加といった影響が出る可能性もあるでしょう。

なお、カーリースの月額料金には、通常、自賠責保険(強制保険)の保険料が含まれています。しかし、任意保険への加入は利用者自身の判断に委ねられ、費用も別途必要となることを理解しておきましょう。

クルマが自分の所有物にならない

カーリースで借りているクルマは自分の所有物にはならない点もデメリットです。カーリースでは、利用者は月額料金を支払うことでクルマを使用する権利を得ますが、クルマの所有権はリース会社にあります。そのため契約期間満了後は、リース会社にクルマを返却しなければなりません。

一部のカーリースサービスでは、契約終了後に残価を支払うことでクルマを買い取れるプランが用意されていることもあります。この場合、カーリース会社へ支払う手数料などが含まれるため、総支払額で比較すると、通常の残価設定ローンを利用して新車を購入するよりも割高になる傾向がある点に注意が必要です。

リースしたクルマを手放す利用者

カーリースで後悔しないための対策

ここからはカーリースで後悔しないために押さえておきたい対策や、契約前に確認すべきチェックポイントを具体的に解説していきます。

契約前に徹底確認!失敗を防ぐチェックリスト

以下は、カーリースを検討する際に注意すべきポイントを分野ごとに明確化した一覧表です。

チェック項目

確認すべき内容

費用

月額料金だけでなく、契約期間全体の総支払額(ボーナス払い、オプション費用、税金、手数料などを含む)はいくらか?

総支払額に含まれない費用(自己負担となるメンテナンス費用、任意保険料など)は何か?

ローンや現金購入の場合と比較して、ランニングコストを踏まえた総支払額は納得できるか?

走行距離制限

年間(または月間)の走行距離制限は何kmか?

現在の利用状況、今後のライフプランに対して走行距離は十分か?

走行距離を超過した場合の精算金(ペナルティー)はいくらか?

契約期間

契約期間は何年か?

契約期間中にライフスタイル(転勤、結婚、家族構成など)が変わる可能性はないか?長期契約のリスクを考慮したか?

中途解約は可能か?可能なら条件(違約金の有無、金額など)は?

契約方式と残価精算

(オープンエンド契約の場合)契約満了時の残価精算のリスクを理解しているか?

保険

任意保険は自分で別途加入する必要があるのか?

加入する場合、推奨される補償内容(対人・対物無制限、車両保険、リース車両特約、中途解約費用補償など)を理解し、検討したか?

この表を活用しながら、自身のカーライフがカーリースとマッチしているかどうか確認してみましょう。

カーリース以外の方法も検討する

カーリースのデメリットとして挙げられる長期契約の縛り、総支払額の高さ、あるいは利用上の制限などが気になる場合は、ほかのクルマの利用方法を検討することも重要です。カーリース以外にも、新車の購入・中古車の購入・レンタカー・カーシェアリングといった選択肢があります。特にクルマの利用頻度がそれほど高くない方にとっては、「カーシェアリング」が有力な代替案となるでしょう。

カーリースが月額固定料金であるのに対し、カーシェアリングは、多くの場合10分~15分単位の利用時間と走行距離に応じて料金が発生する仕組みです。そのため、週に数回程度の買い物や、月に数回の短時間利用であれば、カーリースよりも総コストを大幅に抑えられる可能性があります。

ただし、カーシェアリングにも利便性や利用上のルールに制約があるため、ご自身のライフスタイルやクルマの使い方をよく考慮し、どの方法が最適かを見極めることが大切です。

クルマの購入を検討する利用者

よくある質問

カーリースが向いている人は?

カーリースは、以下のような人におすすめです。

  • 初期費用を抑えたい方
  • 数年ごとに新車に乗り換えたい方
  • 税金の支払いや車検手配といったクルマの維持管理の手間を避けたい方
  • リース期間中にライフスタイルの変化がない方

一方で、長距離を頻繁に運転する方、クルマを自由にカスタマイズしたい方、最終的にクルマを自分のものとして所有したい方には、カーリースは向いていないといえます。

ボーナス払いは必須ですか?

ボーナス払いは必ずしも必須ではありません。多くのカーリース会社では、ボーナス払いなしの「均等払いプラン」も選択することが可能です。

ボーナス払いを併用すると月々の支払額が抑えられる一方で、転職や勤務先の業績などによってボーナスの支給額が変動しうるリスクも考慮に入れる必要があります。

リース車でも車検は必要ですか?費用は?

リース車であっても、通常のクルマと同様に定期的な車検を受けなければなりません。その費用については、カーリース会社や契約プランによって扱いが異なります。月額のリース料金に車検費用が含まれているプランもあれば、別途ご自身で負担するプランも存在します。

契約を結ぶ前には、車検の基本料金だけでなく、交換が必要になる部品代などが月額料金のどこまでカバーされるのか、自己負担となる費用が発生するのかどうかをしっかりと確認することが非常に重要です。

カーライフを楽しむ家族

自身のライフプランと検討して最適なカーライフを実現させよう

ここまで、カーリースを利用するうえで注意すべきデメリットについて解説してきました。クルマは高額な買い物のため、カーリースを利用する場合も、契約期間全体でかかる費用を正確に把握することが大切です。

また、日常の足として頻繁にクルマを利用する方は購入を、週数回の買い物や月数回の短時間利用がメインという方はカーシェアリングといったように、ご自身の利用状況に合わせて比較・検討することも重要でしょう。

三井のカーシェアーズでは、利用料金を抑えられるコンパクトカーから大人数が快適に移動できる高級ミニバン、さらには運転そのものを楽しめるスポーツカーまで、豊富な車種を幅広い価格帯でご用意しています。

お客さまがクルマを必要とされるさまざまなシチュエーションに合わせて、最適な1台をお選びいただけますので、ぜひ入会をご検討ください。

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西川 昇吾(にしかわ しょうご)

自動車ジャーナリスト 1997年生まれ、大学時代から自動車ライターとしての活動をスタートさせる。現在は新車情報のほか、自動車に関するアイテムや文化、新技術や新サービス、カスタマイズやアフターパーツの取材記事など幅広い分野で執筆している。それぞれのユーザー、購入検討者目線を意識した記事執筆を行っている。