カーシェアで通勤はできる?利用にあたってのメリットやデメリットを解説

カーシェアリングサービスを利用した通勤は、多くのメリットが期待できる一方で、事前に知っておくべきデメリットも存在します。本記事ではカーシェアを上手に活用するためのポイントや、どのような方にこの利用スタイルが向いているのか、その特徴を詳しく解説します。

現実的にカーシェアを利用して通勤はできる?

結論からいうと、カーシェアリングサービスを利用した通勤は可能です。公共交通機関が利用できない場合や、出勤前や退勤後に子どもの送り迎えを済ませたい場合など、特定の状況においては非常に大きなメリットをもたらすでしょう。ただし、会社によっては規定があるため、事前に確認しておくべき注意点もいくつかあります。

本記事では、カーシェアを通勤で利用する具体的なメリットやデメリットを解説するとともに、その真価を最大限に引き出すおすすめの利用方法まで詳しくご紹介します。

カーシェアでの通勤

カーシェアで通勤するメリット

カーシェアリングを通勤に利用する最大のメリットは、個人のライフスタイルやその日の都合に合わせて、柔軟な使い方ができることです。具体的には、主に以下の3つの点が挙げられます。

  • 公共交通機関の利用が困難になったときにも利用できる
  • 満員電車を避けて快適に通勤できる
  • 通勤前後の時間を有効活用できる

それでは、これらのメリットについて、1つずつ詳しく見ていきましょう。

公共交通機関の利用が困難になったときにも利用できる

例えば、「電車の運転見合わせで再開の見通しが立たないものの、絶対に外せない仕事がある」といった緊急時でも、カーシェアを利用すれば自ら運転して目的地へ向かえるため、迅速に到着できるメリットがあります。

実際に、国土交通省鉄道局のデータ(※1)によると鉄道の遅延件数は長期的に増加傾向にあり、重要な日に公共交通機関が遅延・不通となる事態は誰にでも起こり得ます。他の代替手段としてバスも考えられますが、交通渋滞や乗降口付近の混雑などから遅延することは珍しくありません。

また、タクシーを利用しようにも、交通機関がまひしている際は乗り場に長蛇の列ができたり、空車が見つからなかったりするリスクも考慮しておく必要があります。このように他の交通手段が機能しにくい状況下でこそ、自分の判断で移動できるカーシェアの価値が際立ちます。

満員電車を避けて快適に通勤できる

満員電車のストレスが苦手な方や、感染症のリスクを避けたい方にとって、カーシェアでの通勤は心身ともに快適となるメリットがあります。

近年はフレックスタイム制度や時差出勤の導入により、通勤時間帯を自身で決められる職場も増えました。しかし、公共交通機関を利用する以上、混雑や感染症のリスクを完全にコントロールするのは難しいのが現状です。

その点、車内というプライベートな空間で移動できるカーシェアであれば、ゆったりとしたスペースで座って移動できます。さらに、不特定多数との接触を避けられ、通勤時における感染リスクを大幅に低減できるでしょう。

通勤前後の時間を有効活用できる

カーシェアリングが通勤にもたらすメリットは、通勤時間そのものが快適になるだけにとどまりません。通勤の前後にあるプライベートな時間を有効活用できる点も、大きな魅力といえるでしょう。例えば、以下のような場面でその利便性を実感できます。

  • 退勤後、ちょっとした息抜きに夜景を見にドライブに出かけたい
  • 徒歩や自転車では買えない大きさの生活用品や食材のまとめ買いをしたい
  • 通勤のついでに子どもの送り迎えをしたい

このように、日々の暮らしにおけるさまざまなシーンで、通勤前後の時間を有効に使うための手段としても役立ちます。

満員電車での通勤

カーシェアで通勤する注意点

多くのメリットがあるカーシェア通勤ですが、利用を始める前に知っておきたい注意点も存在します。具体的には、主に以下の4点が挙げられます。

  • 希望する時間帯にクルマが利用できないことがある
  • 自宅の近くにステーションがない場合は利用が不便になる
  • 公共交通機関より割高になる
  • 勤務先がクルマ通勤を推奨していない可能性がある

これらの注意点について、1つずつ詳しく見ていきましょう。

カーシェアリングで通勤する際の注意点

希望する時間帯にクルマが利用できないことがある

カーシェアは複数の会員でクルマを共有するサービスのため、自身が利用したい日時に、既に他の利用者の予約が入っていることもあります。特に、複数路線が乗り入れる駅の近くや、周囲に代替ステーションが少ない場所では予約が集中しやすく、希望通りに利用できないこともあるでしょう。

多くのカーシェアリングサービスでは利用日の1か月~2週間前から予約が可能なため、通勤で利用する日時が決まっている場合は、できるだけ早めの予約をおすすめします。

自宅の近くにステーションがない場合は利用が不便になる

カーシェアのステーションは年々増加傾向にありますが、その多くは主要駅や都心部に集中しており、住宅街や郊外ではまだ数が限られています。そのため、自宅から最寄りのステーションまで距離がある場合、そこまでの移動自体が負担になり、利便性を損なう可能性があります。

また、ステーションまで自転車で向かうことを考える方もいるかもしれませんが、駐車スペース内に自身の自転車を置く行為は、多くの事業者で規約違反とされているため注意が必要です。

ただし、一部のサービスでは駐輪に対応している場合もあります。例えば三井のカーシェアーズでは自転車での来場に対応しているステーションも用意されており、自宅から距離があっても快適にご利用いただけるケースがあります。

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公共交通機関より割高になる

カーシェアリングは、クルマ一台を少人数で専有して利用するため、電車やバスなどの公共交通機関と比べると料金は割高になります。さらに、勤務先に無料の駐車場がない場合は、カーシェアの利用料金に加えて勤務時間中の駐車料金等も自己負担となる点を忘れてはいけません。

これらの費用を考えると、通勤手段のすべてをカーシェアに頼るのは、家計の大きな負担につながりかねません。そのため、本当に必要な場面に限定して利用するなど、他の交通手段と賢く使い分ける視点が重要です。

勤務先がクルマ通勤を推奨していない可能性がある

大前提として、自身の勤務先がクルマ通勤を認めているかを確認する必要があります。万が一、通勤中に自動車事故を起こした場合、運転者本人だけでなく、雇用主である会社も「使用者責任」を問われることがあるからです。

このリスクを回避するため、企業によっては就業規則にてクルマ通勤を禁止、あるいは許可制にしているケースが少なくありません。特に、公共交通機関で問題なく通勤できる環境の従業員に対しては、その傾向が強いでしょう。

従って、カーシェアを利用する以前の問題として、まずは自社の通勤規定を確認することが不可欠です。

割高な交通費

カーシェアの利用が最適な3つのシーン

カーシェアが特にその真価を発揮するのは、急な予定変更や、普段はクルマを使わない方の突発的なお出かけなど、「必要なときだけ使いたい」以下のようなシーンです。

  • 子どもの送り迎え
  • 移動距離の短い地域への日帰り旅行
  • 遠方商業施設への買い出し

これらの利用における大きな魅力は、使った分だけの費用で済む点です。マイカーのようにローンや車検、税金、保険料といった高額な維持費がかからないため、家計を圧迫することなくクルマの利便性を享受できます。

また、レンタカーのように店舗へ出向いて手続きする必要もなく、スマートフォンのアプリで予約から利用開始、決済までが完結する手軽さも特長です。原則、24時間いつでも利用できるため、急な場合にも柔軟に対応できます。(※2

毎日長時間クルマを利用する方には向きませんが、「月に数回だけ」「この用事のときだけ」といったスポット的な使い方をしたい方にとって、カーシェアは非常におすすめの選択肢です。

カーシェアで日帰り旅行をする家族

よくある質問

ここでは、よくある質問をまとめていきます。

  • カーシェアは誰が運転してもいい?
  • カーシェアはどのような人に向いている?

順番に解説していきます。

カーシェアは誰が運転してもいい?

カーシェアを利用する上で、運転者の資格は厳格に定められています。原則として、借りたクルマを運転できるのは、予約をした会員本人に限られます。

ただし、事業者によっては、同じサービスの会員を「追加運転者」として事前に登録することで、複数人での運転が可能になる場合があるので確認しておきましょう。

注意点として、サービスの会員ではない方や、会員であっても有効な運転免許証情報を登録・更新していない方が運転することは、重大な規約違反です。発覚した場合、予約者の会員資格取り消しや、万が一の事故の際に法的な責任を問われる可能性もあるため、決して行わないようにしましょう。

カーシェアはどのような人に向いている?

結論として、カーシェアは「クルマのある生活の利便性は享受したいけれど、利用は短時間やスポット的に限られる」という方に最適なサービスです。高額な初期費用や維持費がかかるマイカーを所有することなく、必要なときだけ手軽にクルマを利用できる選択肢といえるでしょう。

カーシェアを予約する人

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これまで、カーシェアを通勤で利用するメリットやデメリット、効果的な活用シーンを解説してきました。これらの情報を基にサービスを選ぶ際は、「自身の利用スタイルに合ったおトクな料金プラン」と、「多様なシーンに応える車種」が用意されているかが重要なポイントです。

その点で、「三井のカーシェアーズ」は魅力的な選択肢の1つです。18時~翌9時までの料金が日中の同時間の利用と比べておトクになる夜間パック(※3)や、予約時間に応じて自動的に適用される6時間パック・12時間パック・24時間パックなど、無駄のない料金体系をご用意しています。あなたの使い方に合わせた最適なプランを提供します。

また、軽快なコンパクトカーから大人数で乗れるミニバンやアクティブな行動派に人気のSUV、特別な日を演出するスポーツカーまで、多彩な車種ラインアップであらゆるニーズに対応しています。加えて、三井不動産グループの商業施設へのお出かけであれば、お買物券・お食事券の進呈や駐車場無料サービスも受けられます。

あなたのカーライフをより賢く、豊かにするために、ぜひ「三井のカーシェアーズ」へのご入会をご検討ください。

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※1出典:「鉄軌道輸送の安全に関わる情報(令和5年度)」、国土交通省鉄道局

https://www.mlit.go.jp/tetudo/content/001854671.pdf

(最終確認:2025730日)

※2:ステーションによっては、異なる場合もございます。

※3:車種クラスがプレミアム・プレミアムプラスの場合は対象外です。

監修者:山城 利公(やましろ としまさ) 画像

監修者:山城 利公(やましろ としまさ)

モータージャーナリスト
さまざまなカテゴリーのクルマを独自のスタンスで試乗評価。交通インフラ、物流業界の構造、安全運転教育など社会課題にも精通、モビリティ社会の未来に貢献している。物流のプロとして200万km(地球50周以上)無事故走行の実績を持つ。 AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員