車両通行帯とは?車線との違いやトンネルでの注意点などわかりやすく解説
車両通行帯とは、道路交通法に基づき、道路表示(白線など)によって区切られた、クルマが通行すべき部分のことです。この記事では、車両通行帯の定義や、車線・中央線との違い、違反までわかりやすく解説します。
気になる疑問

クルマの免許を取得するために勉強をしているのですが、「車両通行帯」という言葉が出てきました。車両通行帯って何ですか?かんたんに説明してください。
専門家の回答

山城 利公(やましろ としまさ)
車両通行帯とは、道路標示(白線など)によって区切られた部分のことです。主に片側2車線以上の道路で指定され、同じ方向に走行するクルマを安全に分けるという目的があります。車両通行帯のある道路では、原則として左側の通行帯を走行し、右側は追い越しのために使います。単に白線があるだけの道路とは、法的な扱いが異なる点もポイントです。
車両通行帯とは?
車両通行帯とは、道路標示によって区切られた、クルマが原則として走る位置を示した帯状の部分のことです。一般的に「車線」や「レーン」と呼ばれているものの法的な名称にあたります。以下で、車両通行帯の定義や、車線および中央線との違いについて説明します。

道路交通法における定義
道路交通法では、車両通行帯を以下のように定義しています。
「車両が道路の定められた部分を通行すべきことが道路標示により示されている場合における当該道路標示により示されている道路の部分」(※1)
重要なのは、単に白線で区切られているだけでなく、道路標示によって正式に車両通行帯として指定されているかどうかという点です。
車線との違い
車両通行帯と車線の違いは、定義に含められる道路の範囲です。車両通行帯には、片側1車線道路や一方通行道路などは原則として含まれません。車線は日常的に使われる一般的な用語で、車両通行帯とは混同されがちですが、法律上は区別されています。
中央線との違い
車両通行帯と中央線は、役割が異なります。中央線(センターライン)は、上り車線と下り車線を分けるための線で、対向車との境界線を示すものです。一方、車両通行帯は、主に同じ方向に進むクルマ同士を分ける役割があります。

車両通行帯の走行ルール
車両通行帯の基本走行ルールは、「キープレフトの原則」です。車両通行帯のある道路では、どこを走ってもよいわけではありません。
2車線の場合、左側の通行帯を走行し、右側は主に追い越しのために使います。3車線以上の場合は、最も右側を追い越し車線として空け、それ以外の車線を通行します。交通の流れに応じて、走行車両は左側から順に並ぶのが一般的です。
また、線の種類によっても走行ルールが異なります。
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線の種類 |
白い破線 |
白い実線 |
黄色い実線 |
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車両通行帯 |
追い越しおよび進路変更が可能 |
追い越しおよび進路変更が可能(場所によっては禁止) |
進路変更禁止 |
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中央線 |
追い越しのためのはみ出し可能 |
はみ出し禁止 |
追い越しのためのはみ出し禁止 |
白い破線は、進路変更や追い越しが可能です。車両通行帯が設けられている道路では、白い実線で区切られていても、原則として隣の通行帯へ進路変更することは可能です。ただし、交差点手前やトンネル内など、場所によっては進路変更が禁止されている区間もあります。黄色い実線は追い越しのための右側部分へのはみ出し、および進路変更が禁止されています。

車両通行帯がない道路の走行ルール
白線で車線のように区切られていても、法的には車両通行帯が設けられていない道路も存在します。車両通行帯のない場合は、走行する位置も変わるため気を付けましょう。ここでは車両通行帯の有無の見分け方と走行ルールの違いについて紹介します。
「ある・なし」の見分け方
一般的に、自分と同じ方向に進む車線の数が目安になります。片側1車線の道路は、原則として車両通行帯が設けられていません。例えば、追い越しのために右側部分へはみ出しができるような道路を指します。ただ、車線の数にかかわらず、進行方向別通行区分が標示されている場所は、車両通行帯です。
走行ルールの違い
車両通行帯がある道路の場合、走行するのは指定された通行帯の中です。その一方、車両通行帯が設けられていない道路は、道路の左側端に寄って走行します。法律上、車両通行帯のない道路では、できるだけ左側端に寄って走行することが義務付けられているためです。
車両通行帯の罰則と反則金
車両通行帯に関連する違反は、主に指定通行区分違反、進路変更禁止違反の2つがあります。それぞれの反則金と違反点数の内容は以下の通りです。(※2)(※3)
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違反名 |
反則金(普通車) |
違反点数 |
|
指定通行区分違反 |
6,000円 |
1点 |
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進路変更禁止違反 |
6,000円 |
1点 |
※反則金額や点数は、車両区分や状況によって異なる場合があります。
それぞれ解説していきます。
指定通行区分違反
進行方向別に指定された通行区分に従わずに走行する違反のことです。例えば、直進・左折レーンを走行中に右折したり、右折専用レーンから右折せずにそのまま直進したりするケースが該当します。
進路変更禁止違反
道路標示により進路変更が禁止されている区間で車線変更を行う違反のことです。例えば、黄色の実線をまたいでの進路変更や、交差点直前の白い実線を越えて無理に車線を変更した場合が該当します。
車両通行帯のあるトンネルや交差点での注意点
車両通行帯のある道路でも、トンネルや交差点などの特殊な場所では、走行ルールを誤解しやすいため注意が必要です。具体的なケースを見ていきましょう。

トンネル内での追い越しや進路変更
車両通行帯が設けられているトンネルでも、標識や道路標示の内容によっては、進路変更や追い越しが認められる場合があります。トンネル内の規制は場所によって異なるため、必ず現地の標示を確認することが大切です。ただし、車両通行帯が設けられていないトンネルは、原則として追い越しは禁止されています。
専用通行帯の走行ルール
「バス専用通行帯」などの専用通行帯は、指定された車両以外は原則として通行できません。ただし、やむを得ない場合に限り、例外的に通行が認められます。主なケースは以下の通りです。
- 左折するためにあらかじめ左側に寄る場合
- 工事や駐車車両などを避ける場合
- 緊急車両に進路を譲るために通行する場合
まとめ
車両通行帯とは、安全でスムーズな交通の流れを支えるために設けられた重要なルールです。「一番右は追い越しのための車線」「黄色い線はまたがない」といった車線の数や線の色だけで判断するのではなく、道路標示によって通行区分が指定されているかどうかを意識するだけで、違反のリスクは確実に減らせます。特に、免許の更新時や久しぶりの運転前には、車線に関するルールの違いを整理しておくことが安心かつ安全な運転につながるでしょう。
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※1出典:e-GOV 法令検索「道路交通法」
https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000105
(最終確認:2026年3月17日)
※2出典:警視庁「反則行為の種別及び反則金一覧表」
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/torishimari/tetsuzuki/hansoku.html
(最終確認:2026年3月17日)
※3出典:警視庁「交通違反の点数一覧表」
https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/menkyo/torishimari/gyosei/seido/tensu.html
(最終確認:2026年3月17日)
監修者:山城 利公(やましろ としまさ)
さまざまなカテゴリーのクルマを独自のスタンスで試乗評価。交通インフラ、物流業界の構造、安全運転教育など社会課題にも精通、モビリティ社会の未来に貢献している。物流のプロとして200万km(地球50周以上)無事故走行の実績を持つ。
AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員









