ひし形やゼブラゾーン...意味を知っていますか? 道路標示10種類の意味をおさらい

道路に描かれた線やマークには、注意を促すものから通行を規制するものまで、さまざまなものがあります。これらは道路交通法や標識令に基づいて定められたものであり、私たちドライバーが安全に目的地へ向かうための大切な標示です。

しかし、日々の運転に慣れてしまうと、迷いやすいものや間違えやすいものも出てくるのではないでしょうか。教習所で習ってから時間がたち、意味を曖昧に覚えたまま運転を続けていると、思わぬ事故や交通違反につながる恐れがあります。

そこで今回は、初心者ドライバーはもちろん、日常的に運転する方にも知っておいていただきたい道路標示10種類をご紹介します。それぞれの正確な意味をおさらいし、明日からの安全運転に役立てていきましょう。

1.ひし形:この先にあるのは?

道路の中央付近に白線で大きく描かれた「ひし形」のマーク。これは、この先に横断歩道または自転車横断帯があることをドライバーに事前に知らせるための標示です。原則として、信号機のない横断歩道などの手前、約50メートルと約30メートルの2か所に設置されています。

このひし形マークを見つけたら、「前方に歩行者や自転車がいるかもしれない」と考えましょう。横断しようとしている人がいた場合にすぐ停止できるよう、アクセルから足を離し、いつでもブレーキを踏める準備をして進む必要があります。歩行者優先の原則を守るための非常に重要なマークです。

2.ゼブラゾーン:走ってはいけない場所?

交差点の手前や車線が減少する場所などでよく見かける、白線の斜線で囲まれたしま模様のエリア。通称「ゼブラゾーン」と呼ばれますが、ここは走ってはいけない場所なのでしょうか。

正式名称は「導流帯」といい、クルマの走行を安全かつスムーズに誘導するために設けられています。

実は道路交通法上、ゼブラゾーンへの進入そのものを禁止する規定はありません。しかし、警察庁の指導としては「みだりに進入しないこと」とされています。

また、ゼブラゾーンを直進してきたクルマと、ゼブラゾーンを避けて車線変更したクルマが接触事故を起こした場合、状況によってはゼブラゾーンを走行していた車両側の過失割合が大きくなることもあります。安全のため、原則としてゼブラゾーンの走行は避けましょう。

3.黄色で囲まれた斜線:ゼブラゾーンとは別物

白い線のゼブラゾーンと見た目は似ていますが、外側の枠線と内部の斜線が黄色で描かれているエリアがあります。これは「立ち入り禁止部分」という標示であり、ゼブラゾーンとは明確に異なります。

ゼブラゾーンへの進入が直接禁止されていないのに対し、この「立ち入り禁止部分」には、クルマもバイクも進入してはいけません。見通しの悪いカーブや、危険な交差点などに設けられており、進入した場合は交通違反となります。

色が違うだけで意味が大きく異なるため、見間違えないよう十分に注意しましょう。

4.四角い枠に斜線:渋滞でも空けておく場所

白い実線で四角く囲まれ、中に斜線が引かれた標示は「停止禁止部分」を意味します。消防署、警察署、救急指定病院の前など、緊急車両がいつでも出動できるように確保しておくべき場所に設けられています。

この標示の上を「通過」すること自体はルール違反ではありません。ただし、渋滞時でも空けておく必要があるため、前方が詰まっていても枠内で停止してはいけません。

前方のクルマが進まず、自車が枠内に取り残される可能性がある場合は、枠の手前で停止し、緊急車両の出入りを妨げないようにしなければなりません。

5.停止線:止まる位置を示す白線

交差点や踏切の手前にある、道路を横切るように引かれた太い白線。これが停止する位置を示す「停止線」です。一時停止の標識がある場所や赤信号では、クルマは停止線の直前で確実に停止しなければなりません。なお、黄色信号では、停止位置で安全に停止できない場合を除き、停止しなければなりません。

ここで注意すべきは、クルマの先端(バンパーの最前部)が停止線を越えてはいけないということです。

赤信号の場合、クルマの先端が停止線を少しでも越えてはいけない

「タイヤが線を越えなければ問題ない」と誤解している方もいるかもしれませんが、クルマの先端が少しでも停止線を超えると、交差点への進入とみなされ「信号無視」や「指定場所一時不停止」の違反に問われる場合があります。停止線の直前で確実に止まる習慣を身につけましょう。

6.黄色の中央線:「追越し禁止」と同じ?

片側1車線の道路などで見かける黄色(オレンジ色)の中央線。これは「追い越しのための右側部分はみ出し通行禁止」という意味です。

単なる「追越し禁止」と同じと思われがちですが、厳密には異なります。この標示は「黄色い線を右側へはみ出して追い越すこと」を禁止しています。そのため、原付バイクや自転車などを、黄色い線をはみ出さずに追い越せる場合は違反になりません。ただし、十分な間隔を確保し、周囲の安全を確認して慎重に追い越す必要があります。

一方、四輪自動車を追い越す場合は、黄色い線をはみ出さずに行うことが難しいため、実質的にはクルマを追い越すことはできないと考えましょう。

7.車線の間の黄色い線:車線変更は禁止

片側2車線以上の道路において、同じ方向に進む車線を区切る線が黄色で描かれている場所があります。これは「進路変更禁止」の標示です。交差点の手前などでよく見られます。

この区間では、ウインカーを出して隣の車線へ移動することはもちろん、黄色い線をまたいで走ることも法律で禁止されています。右折や左折をする予定がある場合は、黄色い線が始まる前の、白い破線や実線の区間で余裕を持って進路変更を済ませておきましょう。

カーナビゲーションの案内に気付くのが遅れても、無理な車線変更はしないよう注意しましょう。

8.直進・右左折の矢印:その車線から進める方向は?

交差点の手前で、車線ごとに「直進」「右折」「左折」などの白い矢印が描かれている標示。これは「進行方向別通行区分」といい、各車線ごとに進める方向を示しています。

たとえ本来行きたい目的地が右方向であっても、自車が直進専用の矢印が描かれた車線にいる場合は、そのまま直進しなければなりません。無理に右折車線へ割り込んだり、直進車線から右折したりすると「交差点安全進行義務違反」などに問われる可能性がある他、事故につながる危険があります。

車線が多く交通量の多い交差点では、早めのルート確認を心がけましょう。

9.黄色の「40」「50」:路面の数字は最高速度

道路の路面に黄色いペイントで大きく「40」や「50」といった数字が描かれていることがあります。これらは、その道路の最高速度をドライバーに分かりやすく伝え、速度を抑えるよう促すための表示です。標識が見えにくいカーブの手前や、スピードをつい出しすぎてしまう直線道路などに、ドライバーへの強い注意喚起として設置されています。

一般道の法定速度は道路標識によって最高速度が指定されている場所では、法定速度ではなく、指定された速度が適用されます。路面の数字だけで判断せず、道路標識も確認し、適切に速度を調整しましょう。

10.Uターン矢印に×:右折ではなく転回が禁止

U字型の矢印に「×」マークが重ねられた標示。これは「転回禁止(Uターン禁止)」を意味します。この標示がある交差点や道路では、Uターンをして反対車線に戻ることが禁止されています。

間違えやすいポイントは、禁止されているのが右折ではなく転回(Uターン)であることです。(※右折も禁止されている場合は、別途「指定方向外進行禁止」の標識などがあります)。

交差点で道を間違えたことに気付き、慌ててUターンをしてしまうと違反になるだけでなく、後続車や対向車との重大な事故につながるおそれがあります。道を間違えた場合は、必ず安全な場所まで進んでから経路を修正しましょう。

おわりに

初心者ドライバーやたまにカーシェアやレンタカーを利用する方はもちろん、毎日運転している方でも、忘れていたものや、あいまいに覚えていたものがあるかもしれません。

今回ご紹介した10種類の道路標示は、どれも基本でありながら、安全運転に直結する重要なものばかりです。「これはどんな意味だっただろう?」と迷ったときは、この記事を振り返り、安全運転に役立ててください。

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文:前原 稔
編集:わたなべひろみ/株式会社アケホノ+type-e

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